【東大阪・八尾の障害年金でお悩みの方へ】うつ病で障害年金はもらえますか?【専門家が解説】

医師から「うつ病」と診断されたことがある方は、障害年金の可能性があります。

 

ここでは、お問い合わせも多い「うつ病」に関する障害年金について解説します。

 

うつ病とは

「うつ病」は、「気分障害」の一つとされています。

(気分障害には、うつ病のほか、双極性障害(躁うつ病)なども含まれます)

 

「うつ病」といっても、症状の現れ方、重症度、病型(「メランコリー型」、「非定型」、「季節型」、「産後」など)は、様々です。ですから、なるべく早く医師の診察を受け、その人に合った正しい治療に取り組むことが重要です。

 

「うつ病」の診断を受け治療に努めても、回復に時間がかかることもあります。仕事を休み続け、あるいは退職してしまうと、生活が困難になることが多くなります。そんな場合は、障害年金を検討してください。(注:働きながらでも障害年金を受給できる場合もあります。詳しくはお問い合わせください)

 

 

障害年金の受給要件

障害年金の受給要件は、次のとおり、国民年金、厚生年金ともに3つずつあります。これらすべてを満たせば、年金は受給できます。

 

< 障害基礎年金 >

  1. 1.障害の原因となった病気やけがの初診日が次のいずれかの間にあること。
    ・国民年金加入期間
    ・20歳前または日本国内に住んでいる60歳以上65歳未満の方で年金制度に加入していない期間
    ※老齢基礎年金を繰り上げて受給している方を除きます。
  2. 初診日の前日において、保険料の納付要件を満たしていること
    ※2 0歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件は不要です。
  3. 障害の状態が、障害認定日または2 0歳に達したときに、障害等級表に定める1級または2級に該当していること

< 障害厚生年金 >

  1. 厚生年金保険の被保険者である間に、障害の原因となった病気やけがの初診日があること。
  2. 初診日の前日において、保険料の納付要件を満たしていること。
  3. 障害の状態が、障害認定日に、障害等級表に定める1級から3級のいずれかに該当していること。

 

障害年金の等級(障害の程度)

障害年金の対象となる障害には、「等級」が設定されています。重いほうから1級、2級、3級の順です。「うつ病」(気分障害)に関する基準は次の表のとおりです。

 

等級

障害の状態

1級

気分(感情)障害によるものにあっては、高度の気分、意欲・行動の障害及び高度の思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したり、ひんぱんに繰り返したりするため、常時の援助が必要なもの

2級

気分(感情)障害によるものにあっては、気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したり又はひんぱんに繰り返したりするため、日常生活が著しい制限を受けるもの

3級

※厚生年金のみ

気分(感情)障害によるものにあっては、気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、その病状は著しくないが、これが持続したり又は繰り返し、労働が制限を受けるもの

※3級は、厚生年金保険の被保険者である間に、障害の原因となった病気やけがの初診日がある場合のみに認められます。

(初診日において、国民年金のみに加入していた場合、3級は認められません)

 

なお、精神障害者保健福祉手帳の等級とは別の基準ですから、等級は一致しません。手帳をお持ちの場合は、「同じだ」と思い込まないようにしてください。

 

障害年金の額

障害年金とは、ケガや病気で日常生活に支障が出ている場合に受給できる年金です。

 

障害基礎年金の等級ごとの金額は以下のとおりです(令和6年度)。

 障害基礎年金の額

1級

1,020,000

2級

816,000

 子の加算

障害基礎年金を受けることができる方に生計を維持されている「子」がいる場合、「子の加算」を受け取ることができます。

 「子」の範囲 ・18歳になった後の最初の3月31日までの子

        ・20歳未満で障害等級1級・2級の障害の状態にある子

 

 子の加算の金額 (障害基礎年金に加算されます)

子2人まで

1人につき 234,800円

子3人目以降

1人につき  78,300円

 

障害厚生年金の等級ごとの金額は以下のとおりです。(令和6年度)

障害厚生年金の額

1級

報酬比例の年金額×1.25

2級

報酬比例の年金額

3級

報酬比例の年金額

  報酬比例の年金額=A+B

   A:平成15年3月以前の加入期間の金額

     平均標準報酬月額※1×7.125/1000×(平成15年3月以前の)加入期間の月数

※1平成15年3月以前の標準報酬月額の総額を平成15年3月以前の加入期間の月数で割って得た額

   B:平成15年4月以降の加入期間の金額

平均標準報酬額※2×5.481/1000×(平成15年4月以降の)加入期間の月数

※2平成15年4月以降の標準報酬月額と、標準賞与額の総額を、平成15年4月以降の加入期間の月数で割って得た額

 

※※加入期間の合計が300月未満の場合、300月とみなして計算します。また、障害認定日がある月後の加入期間は、年金額計算の基礎となりません。

※※障害厚生年金3級には、最低保障額612,000円があります。

※※3級よりも軽い状態の場合、「障害手当金」を受給できる場合があります。

 加給年金額

1級又は2級の障害厚生年金を受け取ることができる方に、生計を維持されている配偶者がいる場合、加給年金額も支給されます。(3級には加算されません)

 加給年金額(障害厚生年金に加算されます)

配偶者

234,800円

ただし、配偶者が老齢厚生年金の受給権を有するときや、障害年金を受け取る間は、加給年金額が支給停止されます。

 

障害等級の判定

障害等級の判定は、「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」に基づいて行われます。

 

このガイドラインの中で「障害等級の目安」として、「日常生活能力の程度」と「日常生活能力の判定」の二つの要素からなるマトリックス表が示されていますので、以下に表示します。

 

〔表1〕障害等級の目安

程度

判定平均

(5)

(4)

(3)

(2)

(1)

3.5以上

1級

1級又は2級

 

 

 

3.0以上3.5未満

1級又は2級

2級

2級

 

 

2.5以上3.0未満

 

2級

2級又は3級

 

 

2.0以上2.5未満

 

2級

2級又は3級

3級又は

3級非該当

 

1.5以上2.0未満

 

 

3級

3級又は

3級非該当

 

1.5未満

 

 

 

3級非該当

3級非該当

<表の見方>

1.「程度」は、診断書の記載事項である「日常生活能力の程度」の5段階評価を指す。

2.「判定平均」は、診断書の記載項目である「日常生活能力の判定」の4段階評価について、程度の軽いほうから1~4の数値に置き換え、その平均を算出したものである。

3.表内の「3級」は、障害基礎年金を認定する場合には、「2級非該当」と置き換えることとする。

<留意事項>

障害等級の目安は総合評価時の参考とするが、個々の等級判定は、診断書等に記載される他の要素も含めて総合的に評価されるものであり、目安と異なる認定結果となることもあり得ることに留意して用いること。

 

ちなみに、診断書の「日常生活能力の判定」には、次の1~7の項目があります。

(※診断書には医師が記入します)

  1. 適切な食事
  2. 身辺の清潔保持
  3. 金銭管理と買い物
  4. 通院と服薬
  5. 他人との意思伝達及び対人関係
  6. 身辺の安全保持及び危機対応
  7. 社会性

 

また、診断書の「日常生活能力の程度」は、次のような区分になっています。

(※診断書には医師が記入します)

 

(1)精神障害(病的体験・残遺症状・認知障害・性格変化等)を認めるが、社会生活は普通にできる。

(2)精神障害を認め、家庭内での日常生活は普通にできるが、社会生活には、援助が必要である。

(たとえば、日常的な家事をこなすことはできるが、状況や手順が変化したりすると困難を生じることがある。社会行動や自発的な行動が適切に出来ないこともある。金銭管理はおおむねできる場合など)

(3)精神障害を認め、家庭内での単純な日常生活はできるが、時に応じて援助が必要である。

(たとえば、習慣化した外出はできるが、家事をこなすために助言や指導を必要とする。社会的な対人交流は乏しく、自発的な行動に困難がある。金銭管理が困難な場合など。)

(4)精神障害を認め、日常生活における身のまわりのことも、多くの援助が必要である。

(たとえば、著しく適性を欠く行動が見受けられる。自発的な発言が少ない、あっても発言内容が不適切であったり不明瞭であったりする。金銭管理ができない場合など。)

(5)精神障害を認め、身のまわりのこともほとんどできないため、常時の援助が必要である。

(たとえば、家庭内生活においても、食事や身のまわりのことを自発的にすることができない。また、在宅の場合に通院等の外出には、付き添いが必要な場合など。)

 

以上のように、診断書の記載内容から等級の目安が導き出される、という仕組みになっていることがわかります。

 

障害年金の受給には時間が必要です

障害年金は書類を提出し、審査を経て支給が決定します。

一般的に、提出までの準備に3か月・提出後の審査に3か月ほどかかります。

初回の振込までには、さらに日数がかかります。比較的順調に進んでも、準備開始から7~8か月目でようやく振込となることが多いです。

 

まとめ

医師により「うつ病」と診断を受けた方は、障害年金を検討してください。

1人で年金事務所へ行き手続きを行なおうとしても、うつ病の影響からなかなか進めることができない場合があるかもしれません。そんなときは、社会保険労務士にご相談ください。

 

障害年金の手続は多くの方が経験したことが無く、また自分がどの等級に当てはまるのかを判断しかねる場合も珍しくありません。

当事務所は初回のご相談は1時間まで無料で承っております。

病状は一人ずつ異なりますから、時間の許すかぎり、病状や日常生活について伺います。

 

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最終更新日 2週間

投稿者プロフィール

長谷川 豊
長谷川 豊社会保険労務士
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