【東大阪・八尾の障害年金でお悩みの方へ】脳梗塞で障害年金はもらえますか?【専門家が解説】
脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患は、障害年金の対象に含まれています。
今回は、どのようなときに障害年金の可能性があり、手続きにはどのような注意点があるのかを解説します。
脳梗塞による障害の認定要領
脳梗塞による障害は、さまざまなものがありますが、手足のしびれや痛みを感じ動かしづらくなるということがよく見受けられます。これらは、多くの場合、「肢体の機能の障害」として認定されることとなります。
これは、認定要領に、次のように定められているからです。
(1) 肢体の障害が上肢及び下肢などの広範囲にわたる障害(脳血管障害、脊髄損傷等の脊髄の器質障害、進行性筋ジストロフィー等)の場合には、本節「第1 上肢の障害」、「第2 下肢の障害」及び「第3 体幹・脊柱の機能の障害」に示したそれぞれの認定基準と認定要領によらず、「第4 肢体の機能の障害」として認定する。 (2) 肢体の機能の障害の程度は、関節可動域、筋力、巧緻性、速さ、耐久性を考慮し、日常生活における動作の状態から身体機能を総合的に認定する。なお、他動可動域による評価が適切ではないもの(例えば、末梢神経損傷を原因として関節を可動させる筋が弛緩性の麻痺となっているもの)については、筋力、巧緻性、速さ、耐久性を考慮し、日常生活における動作の状態から身体機能を総合的に認定する。 (「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準 令和4年4月1日改正 第7節/肢体の障害 第4 肢体の機能の障害」より) |
もちろん、「肢体の機能の障害」ではない場合もありますので、ご不明な場合は必ずお問い合わせください。(「平衡機能の障害」、「高次脳機能障害」なども可能性があります)
障害年金の等級(障害の程度)
障害年金の対象となる障害には、「等級」が設定されています。重いほうから1級、2級、3級の順です。
等級 |
障害の状態 |
1級 |
身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの |
2級 |
身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの |
3級 ※厚生年金のみ |
身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの |
※3級は、厚生年金保険の被保険者である間に、障害の原因となった病気やけがの初診日がある場合のみに認められます。
(初診日において、国民年金のみに加入していた場合、3級は認められません)
なお、身体障害者手帳の等級とは別の基準ですから、等級は一致しません。手帳をお持ちの場合は、「同じだ」と思い込まないようにしてください。
「肢体の機能の障害」に関する一部例示は、次のとおりです。
障害の程度 |
障害の状態 |
1級 |
1. 一上肢及び一下肢の用を全く廃したもの 2. 四肢の機能に相当程度の障害を残すもの |
2級 |
1. 一上肢及び一下肢の機能に相当程度の障害を残すもの 2. 四肢に機能障害を残すもの |
3級 |
一上肢及び一下肢に機能障害を残すもの |
(注) 肢体の機能の障害が両上肢、一上肢、両下肢、一下肢、体幹及び脊柱の範囲内に限られている場合には、それぞれの認定基準と認定要領によって認定すること。
なお、肢体の機能の障害が上肢及び下肢の広範囲にわたる場合であって、上肢と下肢の障害の状態が相違する場合には、障害の重い肢で障害の程度を判断し、認定すること。
障害年金の受給要件
障害年金の受給要件は、次のとおり、国民年金、厚生年金ともに3つずつあります。これらすべてを満たせば、年金は受給できます。
< 障害基礎年金 >
- 障害の原因となった病気やけがの初診日が次のいずれかの間にあること。
- 国民年金加入期間
- 20歳前または日本国内に住んでいる60歳以上65歳未満の方で年金制度に加入していない期間
※老齢基礎年金を繰り上げて受給している方を除きます。
- 初診日の前日において、保険料の納付要件を満たしていること
※2 0歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件は不要です。 - 障害の状態が、障害認定日または2 0歳に達したときに、障害等級表に定める1級または2級に該当していること。
< 障害厚生年金 >
- 厚生年金保険の被保険者である間に、障害の原因となった病気やけがの初診日があること。
- 初診日の前日において、保険料の納付要件を満たしていること。
- 障害の状態が、障害認定日に、障害等級表に定める1級から3級のいずれかに該当していること。
障害年金の額
障害年金の額について詳しくはこちら
※年金額は「年度」ごとに改定されます。
脳梗塞による障害についての留意点
脳梗塞による障害は、他の障害と異なる点がありますので、ご検討に際してはお気を付けください。詳細については、個別にご相談ください。
障害認定日に特例が認められる
障害年金の障害認定日は、原則として「初診日から1年6か月経過した日」です。
しかし、例外として、初診日から6か月経過から1年6か月経過までの間に、症状固定(医学的に機能回復を期待できないと医師が認めたとき)した場合、その日が障害認定日となります。
つまり、通常よりも早期に障害年金が認定され、年金を受給することができる可能性があります。
診断書は1つとは限らない
身体に麻痺などが残る →「肢体の障害用の診断書」
そしゃく・嚥下機能の障害、言語障害 →
「聴覚・鼻腔機能・平衡感覚・そしゃく・嚥下・言語機能の障害用の診断書」
高次脳機能障害 → 「精神の障害用の診断書」
障害の状態に応じて、診断書を選択する必要があります。
また診断書は1つだけとは限らず、2つ以上となる場合もあります。
(注:複数の診断書を提出したからといって、等級が上がるということではありません)
障害年金の受給には時間が必要です
障害年金は書類を提出し、審査を経て支給が決定します。
一般的に、提出までの準備に3か月・提出後の審査に3か月ほどかかります。
初回の振込までには、さらに日数がかかります。比較的順調に進んでも、準備開始から7~8か月目でようやく振込となることが多いです。
まとめ
脳梗塞で手術を受けられた方、手術は受けていないけれど服薬とリハビリにより日常生活が困難な方は、障害年金を検討してください。
病状はお一人ずつ異なりますから、他人の事例が参考にならないこともあります。
お一人で悩まず、社会保険労務士にご相談ください。
障害年金の手続は多くの方が経験したことが無く、また自分がどの等級に当てはまるのかを判断しかねる場合も珍しくありません。
当事務所は初回のご相談は1時間まで無料で承っております。
時間の許すかぎり、病状や日常生活について伺います。
お気軽にお問い合わせください。
最終更新日 2か月
投稿者プロフィール

- 社会保険労務士
- 「受給資格のある方に、適切な障害年金を」を念頭に、請求をサポートしております。障害年金の請求をご検討中の皆様はぜひ当事務所にご相談ください。
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