【東大阪・八尾の障害年金でお困りの方】「難病」指定の疾病と障害年金

 

今回は、「難病」と障害年金について、解説いたします。

 

「難病」とは、一般的には、治療が難しく病状が長く継続する疾病、と理解されているかと思います。

医学的に明瞭な定義はありません。

 

 「難病」とは?

 

1 障害認定基準では?

 

障害認定基準では、「その発病の時期が不定、不詳であり、かつ、発病は緩徐であり、ほとんどの疾患は、臨床症状が複雑多岐にわたっている」とされています。(第18節/その他の疾患による障害 2 認定要領(5)より一部抜粋)

 

2025年4月現在、厚生労働省の指定難病一覧には、348の疾病が挙げられています。

 

以下に、その一欄を掲載します。

 

指定難病一覧(厚生労働省 2025年4月現在)より

番号

病名

番号

病名

1

 球脊髄性筋萎縮症

71

特発性大腿骨頭壊死症

2

 筋萎縮性側索硬化症

72

下垂体性ADH分泌異常症

3

 脊髄性筋萎縮症

73

下垂体性TSH分泌亢進症

4

 原発性側索硬化症

74

下垂体性PRL分泌亢進症

5

 進行性核上性麻痺

75

クッシング病

6

 パーキンソン病

76

下垂体性ゴナドトロピン分泌亢進症

7

 大脳皮質基底核変性症

77

下垂体性成長ホルモン分泌亢進症

8

 ハンチントン病

78

下垂体前葉機能低下症

9

 神経有棘赤血球症

79

家族性高コレステロール血症(ホモ接合体)

10

 シャルコー・マリー・トゥース病

80

甲状腺ホルモン不応症

11

 重症筋無力症

81

先天性副腎皮質酵素欠損症

12

 先天性筋無力症候群

82

先天性副腎低形成症

13

 多発性硬化症/視神経脊髄炎

83

アジソン病

14

 慢性炎症性脱髄性多発神経炎/
多巣性運動ニューロパチー

84

サルコイドーシス

15

 封入体筋炎

85

特発性間質性肺炎

16

 クロウ・深瀬症候群

86

肺動脈性肺高血圧症

17

 多系統萎縮症

87

肺静脈閉塞症/肺毛細血管腫症

18

 脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を除く。)

88

慢性血栓塞栓性肺高血圧症

19

 ライソゾーム病

89

リンパ脈管筋腫症

20

 副腎白質ジストロフィー

90

網膜色素変性症

21

 ミトコンドリア病

91

バッド・キアリ症候群

22

 もやもや病

92

特発性門脈圧亢進症

23

 プリオン病

93

原発性胆汁性胆管炎

24

 亜急性硬化性全脳炎

94

原発性硬化性胆管炎

25

 進行性多巣性白質脳症

95

自己免疫性肝炎

26

 HTLV-1関連脊髄症

96

クローン病

27

 特発性基底核石灰化症

97

潰瘍性大腸炎

28

 全身性アミロイドーシス

98

好酸球性消化管疾患

29

 ウルリッヒ病

99

慢性特発性偽性腸閉塞症

30

 遠位型ミオパチー

100

巨大膀胱短小結腸腸管蠕動不全症

31

 ベスレムミオパチー

101

腸管神経節細胞僅少症

32

 自己貪食空胞性ミオパチー

102

ルビンシュタイン・テイビ症候群

33

 シュワルツ・ヤンペル症候群

103

CFC症候群

34

 神経線維腫症

104

コステロ症候群

35

 天疱瘡

105

チャージ症候群

36

 表皮水疱症

106

クリオピリン関連周期熱症候群

37

 膿疱性乾癬(汎発型)

107

若年性特発性関節炎

38

 スティーヴンス・ジョンソン症候群

108

TNF受容体関連周期性症候群

39

 中毒性表皮壊死症

109

非典型溶血性尿毒症症候群

40

 高安動脈炎

110

ブラウ症候群

41

 巨細胞性動脈炎

111

先天性ミオパチー

42

 結節性多発動脈炎

112

マリネスコ・シェーグレン症候群

43

 顕微鏡的多発血管炎

113

筋ジストロフィー

44

 多発血管炎性肉芽腫症

114

非ジストロフィー性ミオトニー症候群

45

 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症

115

遺伝性周期性四肢麻痺

46

 悪性関節リウマチ

116

アトピー性脊髄炎

47

 バージャー病

117

脊髄空洞症

48

 原発性抗リン脂質抗体症候群

118

脊髄髄膜瘤

49

 全身性エリテマトーデス

119

アイザックス症候群

50

 皮膚筋炎/多発性筋炎

120

遺伝性ジストニア

51

 全身性強皮症

121

脳内鉄沈着神経変性症

52

 混合性結合組織病

122

脳表ヘモジデリン沈着症

53

 シェーグレン症候群

123

HTRA1関連脳小血管病

54

 成人発症スチル病

124

皮質下梗塞と白質脳症を伴う常染色体優性脳動脈症

55

 再発性多発軟骨炎

125

神経軸索スフェロイド形成を伴う遺伝性びまん性白質脳症

56

 ベーチェット病

126

ペリー病

57

 特発性拡張型心筋症

127

前頭側頭葉変性症

58

 肥大型心筋症

128

ビッカースタッフ脳幹脳炎

59

 拘束型心筋症

129

痙攣重積型(二相性)急性脳症

60

 再生不良性貧血

130

先天性無痛無汗症

61

 自己免疫性溶血性貧血

131

アレキサンダー病

62

 発作性夜間ヘモグロビン尿症

132

先天性核上性球麻痺

63

 免疫性血小板減少症

133

メビウス症候群

64

 血栓性血小板減少性紫斑病

134

中隔視神経形成異常症/ドモルシア症候群

65

 原発性免疫不全症候群

135

アイカルディ症候群

66

 IgA 腎症

136

片側巨脳症

67

 多発性嚢胞腎

137

限局性皮質異形成

68

 黄色靱帯骨化症

138

神経細胞移動異常症

69

 後縦靱帯骨化症

139

先天性大脳白質形成不全症

70

 広範脊柱管狭窄症

140

ドラベ症候群

 

番号

病名

番号

病名

141

 海馬硬化を伴う内側側頭葉てんかん

212

 三尖弁閉鎖症

142

 ミオクロニー欠神てんかん

213

 心室中隔欠損を伴わない肺動脈閉鎖症

143

 ミオクロニー脱力発作を伴うてんかん

214

 心室中隔欠損を伴う肺動脈閉鎖症

144

 レノックス・ガストー症候群

215

 ファロー四徴症

145

 ウエスト症候群

216

 両大血管右室起始症

146

 大田原症候群

217

 エプスタイン病

147

 早期ミオクロニー脳症

218

 アルポート症候群

148

 遊走性焦点発作を伴う乳児てんかん

219

 ギャロウェイ・モワト症候群

149

 片側痙攣・片麻痺・てんかん症候群

220

 急速進行性糸球体腎炎

150

 環状20番染色体症候群

221

 抗糸球体基底膜腎炎

151

 ラスムッセン脳炎

222

 一次性ネフローゼ症候群

152

 PCDH19関連症候群

223

 一次性膜性増殖性糸球体腎炎

153

 難治頻回部分発作重積型急性脳炎

224

 紫斑病性腎炎

154

 睡眠時棘徐波活性化を示す発達性てんかん性脳症及びてんかん性脳症

225

 先天性腎性尿崩症

155

 ランドウ・クレフナー症候群

226

 間質性膀胱炎(ハンナ型)

156

 レット症候群

227

 オスラー病

157

 スタージ・ウェーバー症候群

228

 閉塞性細気管支炎

158

 結節性硬化症

229

 肺胞蛋白症(自己免疫性又は先天性)

159

 色素性乾皮症

230

 肺胞低換気症候群

160

 先天性魚鱗癬

231

 α1-アンチトリプシン欠乏症

161

 家族性良性慢性天疱瘡

232

 カーニー複合

162

 類天疱瘡(後天性表皮水疱症を含む。)

233

 ウォルフラム症候群

163

 特発性後天性全身性無汗症

234

 ペルオキシソーム病(副腎白質ジストロフィーを除く。)

164

 眼皮膚白皮症

235

 副甲状腺機能低下症

165

 肥厚性皮膚骨膜症

236

 偽性副甲状腺機能低下症

166

 弾性線維性仮性黄色腫

237

 副腎皮質刺激ホルモン不応症

167

 マルファン症候群/ロイス・ディーツ症候群

238

 ビタミンD抵抗性くる病/骨軟化症

168

 エーラス・ダンロス症候群

239

 ビタミンD依存性くる病/骨軟化症

169

 メンケス病

240

 フェニルケトン尿症

170

 オクシピタル・ホーン症候群

241

 高チロシン血症1型

171

 ウィルソン病

242

 高チロシン血症2型

172

 低ホスファターゼ症

243

 高チロシン血症3型

173

 VATER症候群

244

 メープルシロップ尿症

174

 那須・ハコラ病

245

 プロピオン酸血症

175

 ウィーバー症候群

246

 メチルマロン酸血症

176

 コフィン・ローリー症候群

247

 イソ吉草酸血症

177

 ジュベール症候群関連疾患

248

 グルコーストランスポーター1欠損症

178

 モワット・ウィルソン症候群

249

 グルタル酸血症1型

179

 ウィリアムズ症候群

250

 グルタル酸血症2型

180

 ATR-X症候群

251

 尿素サイクル異常症

181

 クルーゾン症候群

252

 リジン尿性蛋白不耐症

182

 アペール症候群

253

 先天性葉酸吸収不全

183

 ファイファー症候群

254

 ポルフィリン症

184

 アントレー・ビクスラー症候群

255

 複合カルボキシラーゼ欠損症

185

 コフィン・シリス症候群

256

 筋型糖原病

186

 ロスムンド・トムソン症候群

257

 肝型糖原病

187

 歌舞伎症候群

258

 ガラクトース-1-リン酸ウリジルトランスフェラーゼ欠損症

188

 多脾症候群

259

 レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ欠損症

189

 無脾症候群

260

 シトステロール血症

190

 鰓耳腎症候群

261

 タンジール病

191

 ウェルナー症候群

262

 原発性高カイロミクロン血症

192

 コケイン症候群

263

 脳腱黄色腫症

193

 プラダー・ウィリ症候群

264

 無βリポタンパク血症

194

 ソトス症候群

265

 脂肪萎縮症

195

 ヌーナン症候群

266

 家族性地中海熱

196

 ヤング・シンプソン症候群

267

 高IgD症候群

197

 1p36欠失症候群

268

 中條・西村症候群

198

 4p欠失症候群

269

 化膿性無菌性関節炎・壊疽性膿皮症・アクネ症候群

199

 5p欠失症候群

270

 慢性再発性多発性骨髄炎

200

 第14番染色体父親性ダイソミー症候群

271

 強直性脊椎炎

201

 アンジェルマン症候群

272

 進行性骨化性線維異形成症

202

 スミス・マギニス症候群

273

 肋骨異常を伴う先天性側弯症

203

 22q11.2欠失症候群

274

 骨形成不全症

204

 エマヌエル症候群

275

 タナトフォリック骨異形成症

205

 脆弱X症候群関連疾患

276

 軟骨無形成症

206

 脆弱X症候群

277

 リンパ管腫症/ゴーハム病

207

 総動脈幹遺残症

278

 巨大リンパ管奇形(頚部顔面病変)

208

 修正大血管転位症

279

 巨大静脈奇形(頚部口腔咽頭びまん性病変)

209

 完全大血管転位症

280

 巨大動静脈奇形(頚部顔面又は四肢病変)

210

 単心室症

281

 クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群

211

 左心低形成症候群

282

 先天性赤血球形成異常性貧血

 

番号

病名

番号

病名

283

 後天性赤芽球癆

316

 カルニチン回路異常症

284

 ダイアモンド・ブラックファン貧血

317

 三頭酵素欠損症

285

 ファンコニ貧血

318

 シトリン欠損症

286

 遺伝性鉄芽球性貧血

319

 セピアプテリン還元酵素(SR)欠損症

287

 エプスタイン症候群

320

 先天性グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)欠損症

288

 自己免疫性後天性凝固因子欠乏症

321

 非ケトーシス型高グリシン血症

289

 クロンカイト・カナダ症候群

322

 β―ケトチオラーゼ欠損症 

290

 非特異性多発性小腸潰瘍症

323

 芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素欠損症

291

 ヒルシュスプルング病(全結腸型又は小腸型)

324

 メチルグルタコン酸尿症

292

 総排泄腔外反症

325

 遺伝性自己炎症疾患

293

 総排泄腔遺残

326

 大理石骨病

294

 先天性横隔膜ヘルニア

327

 特発性血栓症(遺伝性血栓性素因によるものに限る。)

295

 乳幼児肝巨大血管腫

328

 前眼部形成異常

296

 胆道閉鎖症

329

 無虹彩症

297

 アラジール症候群

330

 先天性気管狭窄症/先天性声門下狭窄症

298

 遺伝性膵炎

331

 特発性多中心性キャッスルマン病

299

 嚢胞性線維症

332

 膠様滴状角膜ジストロフィー

300

 IgG4関連疾患

333

 ハッチンソン・ギルフォード症候群

301

 黄斑ジストロフィー

334

 脳クレアチン欠乏症候群

302

 レーベル遺伝性視神経症

335

 ネフロン癆

303

 アッシャー症候群

336

 家族性低βリポタンパク血症1(ホモ接合体)

304

 若年発症型両側性感音難聴

337

 ホモシスチン尿症

305

 遅発性内リンパ水腫

338

進行性家族性肝内胆汁うっ滞症

306

 好酸球性副鼻腔炎

339

 MECP2重複症候群

307

 カナバン病

340

線毛機能不全症候群(カルタゲナー症候群を含む。)

308

 進行性白質脳症

341

TRPV4異常症

309

 進行性ミオクローヌスてんかん

342

LMNB1 関連大脳白質脳症

310

 先天異常症候群

343

PURA 関連神経発達異常症

311

 先天性三尖弁狭窄症

344

極長鎖アシル-CoA 脱水素酵素欠損症

312

 先天性僧帽弁狭窄症

345

乳児発症 STING 関連血管炎

313

 先天性肺静脈狭窄症

346

原発性肝外門脈閉塞症

314

 左肺動脈右肺動脈起始症

347

出血性線溶異常症

315

 ネイルパテラ症候群(爪膝蓋骨症候群)/LMX1B関連腎症

348

ロウ症候群

 

 

 「難病」の障害認定

 

1 障害認定基準では

 

障害認定基準では、「厚生労働省研究班や関係学会で定めた診断基準、治療基準があり、それに該当するものは、病状の経過、治療効果等を参考とし、認定時の具体的な日常生活状況等を把握して、総合的に認定する。」とされています。

 

一部の疾病では、診断基準や治療基準が整備されており、それを参考に認定されます。

一方、基準が未整備な疾病もあり、これらについての認定は、必ずしも整然と行われているわけではないように感じられるところです。

 

「難病であるから障害年金が認定される」ということではなく、他の疾病と同様に「具体的な日常生活状況等を含めて総合的に認定される」ということです。

 

ですから、「難病(○○病)なので○級」というような認定は行われません。同じ疾病(難病)であっても、人によって症状が異なるため、人によって等級が異なるのが通例です。

 

2 現実では

 

「難病だから障害年金の認定が難しい」ということはあるでしょうか?

 

表面的にはありません。少なくとも障害認定基準においては、他の一般的な疾病と同様に認定されることになっています。

 

しかし、実際には、認定に至る道筋はやや厳しい場合もあります。

 

難病に共通することとして「症例の少なさ」があるため、認知・理解されていない場合が多く、その疾病から生じる障害について基本的なことから説明(主張)しなければならない事例も少なくありません。

また治療方法が明確ではない場合は、どのような治療を行なってきたか、またそれらが効果を上げなかったか、などと主張したほうが良い場合もあります。

「病歴・就労状況等申立書」を作成する際には、慎重に取り組んだほうが良いと考えられます。

 

また医師の診断書の記載が十分でないと思われる場合は、医師に追記をお願いすることも必要かもしれません。検査データの羅列と「就労不能」のコメントだけでは、適切な認定が行われるのは難しいでしょう。専門医だから書ける事項があるはずですので、医師とよく相談すべきです。

 

 まとめ 

 

難病だから障害年金が受給しやすいということはありませんが、難病だから障害年金が受給しづらいということもありません。

 

しかし、実際には難病に関する障害年金の請求手続は簡単ではないことが多いので、社会保険労務士がお力になれるかもしれません。

なお、通常より時間がかかってしまうかもしれません。でも、最初からあきらめてしまう必要はありません。

 

当事務所は初回のご相談は1時間まで無料で承っております。

時間のゆるすかぎり、現状と日常生活について伺います。

 

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投稿者プロフィール

長谷川 豊
長谷川 豊社会保険労務士
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