パーキンソン病で障害年金はもらえますか?【東大阪・八尾で障害年金なら】
「パーキンソン病」と障害年金について、解説いたします。
目次
- 1 「パーキンソン病」について
- 2 パーキンソン病の障害認定基準
- 3 肢体の機能の障害の認定方法
- 4 パーキンソン病で障害年金をもらうためのポイント
- 5 年金受給に必要な3つの要件
- 6 難しいと思ったら専門家に依頼を
- 7 まとめ
「パーキンソン病」について
①原因
パーキンソン病は、脳の神経伝達物質であるドパミンが減少し、身体の動きに関わる神経回路がうまく働かなくなる神経疾患です。(中脳の黒質にあるドパミン神経細胞が減少することにより、ドパミンの量が減少するとされています。)
②患者数
国内では、10万人あたり100~180人の患者さんがいると言われており、65歳以上に限ると100人に1人と言われています。50歳以上の患者さんが多いですが、それより若い年齢で発症する場合もあります。
③症状
運動症状(主なもの)
- 振戦(しんせん) 手や足が震える
- 筋強剛(きんきょうごう) 筋肉の緊張が続き関節がスムーズに動かない
- 運動緩慢(うんどうかんまん) 動作がゆっくり
- 姿勢反射障害(しせいはんしゃしょうがい) 身体のバランスがとれず転びやすい
非運動症状
- 自律神経症状
- 認知障害
- 嗅覚障害
- 睡眠障害
- 精神症状
- 疲労や疼痛
症状は、一人ずつ異なるので、障害年金の対象となるかを判定することは簡単ではありませんが、お身体の状態を「障害認定基準」に照らしつつ検討することになります。
なお、「パーキンソン病」とそれによく似た症状の「パーキンソン症候群」は、治療法が異なるため、専門医に正しい診断をしてもらうことはとても重要です。
パーキンソン病の障害認定基準
「障害認定基準」の第1章第7節第4が「肢体の機能の障害」となっています。
パーキンソン病については、この基準で判定されることが多いです。
(注:認知障害、精神症状がある場合は、精神障害の基準による場合もあります)
第4 肢体の機能の障害
| 障害の程度 | 障害の状態 |
|---|---|
| 1 級 | 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの |
| 2 級 | 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの |
| 3 級 | 身体の機能に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの |
肢体の機能の障害の認定方法
肢体の機能の障害の程度は、関節可動域、筋力、巧緻性、速さ、耐久性を考慮し、日常生活における動作の状態から身体機能を総合的に認定する。
他動可動域による評価が適切ではないもの(例えば、末梢神経損傷を原因として関節を可動させる筋が弛緩性の麻痺となっているもの)については、筋力、巧緻性、速さ、耐久性を考慮し、日常生活における動作の状態から身体機能を総合的に認定する。
・認定の一部例示
| 障害の程度 | 障害の状態 |
|---|---|
| 1級 | 1. 一上肢及び一下肢の用を全く廃したもの 2. 四肢の機能に相当程度の障害を残すもの |
| 2級 | 1. 一上肢及び一下肢の機能に相当程度の障害を残すもの 2. 四肢に機能障害を残すもの |
| 3級 | 一上肢及び一下肢に機能障害を残すもの |
(注)
肢体の機能の障害が両上肢、一上肢、両下肢、一下肢、体幹及び脊柱の範囲内に限られている場合には、それぞれの認定基準と認定要領によって認定すること。
なお、肢体の機能の障害が上肢及び下肢の広範囲にわたる場合であって、上肢と下肢の障害の状態が相違する場合には、障害の重い肢で障害の程度を判断し、認定すること。
・日常生活における動作と身体機能との関連は、厳密に区別することができないが、おおむね次のとおり。
ア 手指の機能
- (ア) つまむ(新聞紙が引き抜けない程度)
- (イ) 握る(丸めた週刊誌が引き抜けない程度)
- (ウ) タオルを絞る(水をきれる程度)
- (エ) ひもを結ぶ
イ 上肢の機能
- (ア) さじで食事をする
- (イ) 顔を洗う(顔に手のひらをつける)
- (ウ) 用便の処置をする(ズボンの前のところに手をやる)
- (エ) 用便の処置をする(尻のところに手をやる)
- (オ) 上衣の着脱(かぶりシャツを着て脱ぐ)
- (カ) 上衣の着脱(ワイシャツを着てボタンをとめる)
ウ 下肢の機能
- (ア) 片足で立つ
- (イ) 歩く(屋内)
- (ウ) 歩く(屋外)
- (エ) 立ち上がる
- (オ) 階段を上る
- (カ) 階段を下りる
なお、手指の機能と上肢の機能とは、切り離して評価することなく、手指の機能は、上肢の機能の一部として取り扱う。
・身体機能の障害の程度と日常生活における動作の障害との関係を参考として示すと、次のとおり。
- 「用を全く廃したもの」とは、日常生活における動作のすべてが「一人で全くできない場合」又はこれに近い状態をいう。
- 「機能に相当程度の障害を残すもの」とは、日常生活における動作の多くが「一人で全くできない場合」又は日常生活における動作のほとんどが「一人でできるが非常に不自由な場合」をいう。
- 「機能障害を残すもの」とは、日常生活における動作の一部が「一人で全くできない場合」又はほとんどが「一人でできてもやや不自由な場合」をいう。
パーキンソン病で障害年金をもらうためのポイント
障害の程度(=障害等級に該当するか)を見極める
進行性の疾病であるパーキンソン病ですが、症状の変化は、個人ごとに進行スピードが異なります。
いつ障害年金の請求するのが良いのか、判断は簡単ではありません。
医師に相談すると現在の病状について一定の見解を得られるでしょう。
パーキンソン病の重症度分類としては、「ホーン・ヤール(Hoehn&Yahr)の重症度分類」があります。
| 0度 | パーキンソニズムなし ※症状無し(違和感あり) |
| 1度 | 一側性パーキンソニズム (症状は片側の手足のみ) |
| 2度 | 両側性パーキンソニズム (症状は両方の手足) |
| 3度 | 軽~中等度パーキンソニズム。姿勢反射障害あり(すくみ足など)。 日常生活に介助不要。 |
| 4度 | 高度障害(歩行は介助無しでどうにか可能) |
| 5度 | 介助なしにはベッド又は車椅子生活。(臥床中心・車椅子) |
障害年金の等級を判定する日本年金機構では、この「ホーン・ヤール(Hoehn&Yahr)の重症度分類」を重要な参考資料としていることがわかっています。
(診断書を提出してもそれだけでは十分でないとして、「ホーン・ヤール(Hoehn&Yahr)の重症度分類」についての医師の見解を問い合わせてくることがしばしばあります)
遡及の可能性を確認
パーキンソン病は、急激な症状悪化が見られることはあまりないようです。また症状があっても軽度であれば日常生活への影響は少ない場合もあり、ご本人が「障害」と意識しないまま日常生活を送っている場合もあります。
重度まで進行した方の場合、障害年金の権利(等級の該当)が、実は数年前から可能性があった、というようなこともあります。
そのような場合は、遡及して障害等級への該当が認定してもらえないか、落ち着いて検討することが必要でしょう。
パーキンソン病の障害年金審査に特有の事項
上記1の「ホーン・ヤール(Hoehn&Yahr)の重症度分類」のほかにも、日本年金機構が審査を行う項目があります。
- パーキンソン病のコントロール状況としての日内変動 有・無
- (日内変動「有」の場合)「Wearing-Off(up&down)現象」または「On-Off現症」 有・無
- 処方薬剤の種類、投薬量、投与回数、投薬開始時期
- 24時間における服薬の回数、時間帯、具合の良い状態、悪い状態(図に記載)
24時間の状態を記入する図(※日本年金機構からの照会書面の記載を長谷川が再現)

これらは、医師に対して照会(問合せ)が行われる事項です。
しかし、主治医といえども患者の生活について24時間すべてを把握することは難しく、患者から医師に情報提供しなくては適切な記載は困難です。
日ごろから日常生活の様子を医師に伝えることができていたとしても、障害年金の診断書を依頼する際には改めて状況を整理し医師に伝えることが必要になると考えられます。
年金受給に必要な3つの要件
障害年金の受給に必要な要件は、次の3つです。
①初診日要件
初診日時点で、(国民年金または厚生年金保険の)被保険者であること
(または、20歳前または日本国内に住んでいる60歳以上65歳未満で年金制度に加入していない人)
②保険料納付要件
初診日の前日において、保険料の納付要件を満たしていること。
(注:20歳前の障害による年金については、「保険料納付要件」は不要)
③障害等級に該当
障害認定日における障害の状態が、障害等級表に定める障害等級に該当すること
障害年金の等級は、重いほうから、国民年金(障害基礎年金)については1級と2級、厚生年金保険(障害厚生年金)については1級、2級、3級、があります。
国民年金と厚生年金保険(公務員を含む)については、等級の基準は同じです。(いずれの年金も、等級の判定は同じ基準を用いています)
受給要件についてはこちら ※別ページへのリンクです
難しいと思ったら専門家に依頼を
「パーキンソン病」の障害年金請求は、いつから請求手続を行うべきなのかやや分かりづらく、遡及の可能性の検討も簡単ではないことが多いです。
ご自分で手続しようとしたものの途中で行き詰まってしまい、社会保険労務士にご相談されることも珍しくありません。
もし手続に不安がある場合は、早い段階で遠慮なく社会保険労務士へご相談・ご依頼ください。
まとめ
パーキンソン病で日常生活に影響がある方、またはそのご家族などで、障害年金についてご不明な点などあれば、遠慮なく社会保険労務士にご相談ください。
当事務所は初回のご相談は1時間まで無料で承っております。
時間のゆるすかぎり、病状や日常生活について伺います。
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